マンデリン!マンデリンコーヒーの特長とおすすめの飲み方

今や日本ではおなじみのコーヒー豆となったマンデリン。コーヒー豆店や喫茶店で見かける機会も多いと思います。
しかし、普段何気なく飲んでいると詳しい特徴を知らなかったりするものです。
そこで、今回はおなじみのコーヒー豆「マンデリン」をより一層楽しめるよう、産地や味などを改めてご紹介したいと思います。

マンデリンはどこの国のコーヒー

マンデリンは東南アジア南部の島国、インドネシア原産のコーヒーです。

インドネシアは赤道付近のコーヒー栽培に適した地域である「コーヒーベルト」内に位置し、熱帯気候とモンスーン気候の地域を持った国です。

ロブスタ種を中心にコーヒーの栽培が盛んに行われており、コーヒー豆の生産量世界第4位を誇っています。

名前の由来と栽培の歴史

「マンデリン」という名前の由来をご存じでしょうか?
インドネシアに存する島の1つであるスマトラ島に住む民族、「マンデリン族」の部族名が語源であると言われています。

マンデリンは、インドネシアで3番目に大きい島である「スマトラ島」で栽培されていたアラビカ種を源流とした品種です。
スマトラ島は昔よりコーヒー栽培が行われる地域で、アラビカ種も多く栽培されていました。しかし、1860年代からサビ病の流行が始まり、アラビカ種が壊滅的被害を受けてしまいます。
この際に、サビ病に強いロブスタ種への転作を行うことになったのです。

しかしその後、スマトラ島の民族である「マンデリン族」が、サビ病に強いアラビカ種の栽培を始めました。
そしてこのアラビカ種の栽培は無事成功し、後にマンデリンの名で呼ばれるようになったのです。

特別なマンデリン、インドネシアナチュラルマンデリン

インドネシアの主要な生産地の1つ、スマトラ島で生産されるマンデリンには、「インドネシアナチュラルマンデリン」と呼ばれる高品質なマンデリンがあります。
スマトラ島のシディカランにあるワハナ農園で生産されているマンデリンで、完熟果実をそのまま乾燥させる「ナチュラル精選処理」を行った、珍しいコーヒー豆です。
他のマンデリンには無い、モカのような香りと甘味、フルーティな香りが特徴です。

他にもスマトラ島アチェ州で生産される、マンデリン・ブルーバタックという銘柄も有名です。

その他のインドネシア産のコーヒー

ロブスタ

インドネシアではロブスタ種の栽培に力を入れており、栽培されているコーヒーの多くがロブスタ種です。
ロブスタ種は病気や暑さに強く、収穫量も安定した育てやすい品種です。アラビカ種のサビ病流行の際に導入され、多く栽培されるようになりました。
苦味が強く、コーヒー豆として店頭に並ぶよりも、缶コーヒーやインスタントコーヒーなどに利用されることが多い品種です。

カチモール

ブルボン種の突然変異種「カトゥーラ種」と、ロブスタ種とアラビカ種のハイブリッドである「チモール種」の交配によって作られた品種です。
サビ病に耐病性を持っている他、安定して収穫量を出せる特徴を持っています。

マンデリンコーヒーの味の特徴

飲んだ瞬間に感じる強い苦味と深いコク、特有の強い香ばしさが印象的です。
アラビカ種の中には、酸味や甘味が前面に出る品種も多いのですが、マンデリンは苦味が印象的なコーヒーです。

しかし、アラビカ種らしい酸味も持ち合わせており、苦味と香ばしさの奥から、爽やかな酸味と若干スパイシーな香りを感じられます。一方、果実のような甘味はあまり感じません。
イメージで言うと、苦味と酸味のバランスが6:4といった印象です。

また、しっかりした苦味を持っているため、カフェオレなどにもよく使用されています。ミルクに負けないコーヒーの風味を感じることができるのです。

マンデリンコーヒーの選び方

良質なマンデリンコーヒーを選ぶためには2つの方法があります。
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つは、「豆のサイズや形で選ぶ」こと。そしてもう1つは「スペシャルティコーヒーやプレミアムコーヒーを選ぶ」ことです。それぞれ詳しく説明していきます。

豆のサイズや形で選ぶ

コーヒー豆全般に言える事ですが、サイズが大きく、豆の形が均一でふっくらとしているものが良い豆の見極め方です。しっかり均一に育った豆は味や香りのバランスが良く、産地の持つ風味を感じ取りやすい特徴があります。

しかし、袋詰めされているコーヒー豆ではサイズや形を確認することが出来ないため、小売店では使いにくい方法です。
喫茶店などのその場で焙煎している店舗など、コーヒー豆を直接確認できる場合に意識してみましょう。

なお、その場で焙煎したコーヒー豆を買う場合は、焙煎したての豆を選ぶのも重要なポイントです。焙煎から時間が経った豆は酸化が進んでおり、雑味や苦味が発生しやすいためです。

スペシャルティコーヒーやプレミアムコーヒーを選ぶ

コーヒー豆には、カップ1杯の液体としてのコーヒーになった際のクオリティである「カップクオリティ」という格付け方法があります。
詳しくは後程ご説明するのですが、カップクオリティの中で最も高品質とされるのが「スペシャルティコーヒー」、次に高品質なのが「プレミアムコーヒー」です。

コーヒー豆のサイズや形で選ぶのは、コーヒー豆の特徴をよく知っていないと難しいことですが、標準化された評価方法であるカップクオリティを理解するのはそう難しくありません。
これは、袋詰めされたコーヒー豆にも使える判断方法ですので、是非覚えていただきたい選び方です。

格付け

インドネシアで生産されているマンデリンの格付け方法には、先ほどご説明した「カップクオリティ」という格付け方法と、インドネシアのみで使用されている「スクリーンサイズ(豆のサイズ)+欠点豆の数」で格付けする方法があります。

どちらも一定の品質を保証することが目的ではありますが、選別方法が異なります。

店舗で販売されているコーヒー豆は、両方の格付け方法が使用されているため、高品質なコーヒー豆を手に入れるには両方の格付け方法を覚える必要があります。

カップクオリティ

日本スペシャリティコーヒー協会(SCAJ)が定めた、コーヒー豆をカップ1杯の液体としてのコーヒーにして評価する方法で、日本人がおいしいと感じるコーヒーの風味特性に重点を置いています。
風味特性・バランス・酸味・甘さ等を複合的に評価し、味の品質をランク毎に安定させることを目的としています。

格付けは4段階に分けられ、品質の高い順に「スペシャルティコーヒー」「プレミアムコーヒー」「コマーシャルコーヒー」「ローグレードコーヒー」に分類されます。
これは、コーヒー豆全般に用いられる格付け方法となっています。

スクリーンサイズ(豆のサイズ)+欠点豆数

インドネシアでは「スクリーンサイズ(豆のサイズ)」と「欠点豆の数」で格付けを行っています。
スクリーンサイズはラージと呼ばれる大きいもの(7.5mm×7.5mm~)が高品質とされ、雑味の原因である欠点豆の数は少ないほど高品質と評価されています。

格付けは5段階に分けられ、品質の高い順にグレード1(G1)からグレード5(G5)と呼ばれます。
味による評価ではないため、格付けが容易ですが、味の安定性はカップクオリティに劣ります。

おすすめの飲み方

中煎り・深煎りがおすすめ

心地よい香ばしさと苦味が強調される中煎り、もしくはしっかりした苦味が出る深煎りがおすすめの煎り加減です。酸味と苦味のバランスを楽しみたい場合は中煎り、苦味と香ばしさをしっかり感じたい場合は深煎りが適しています。どちらも飲んだ瞬間に心地よい香ばしさが広がります。

また、マンデリン特有のポイントなのですが、深煎りをしても酸味が消えにくいという一面を持っています。深煎りならではの苦味と香ばしさをしっかり楽しみつつ、後から来る爽やかな酸味も感じることができる優れものなのです。

飲み方によって焙煎度合いを変えるのもおすすめです。ミルクを入れてカフェオレにする場合は、ミルクに負けないコクと苦味を引き出せる深煎りが適しています。

最後に

おなじみのコーヒー、マンデリンの新たな一面を知ることができたでしょうか?
コーヒーの特徴を知ることは、美味しい飲み方がわかるだけではなく、飲んだ時の印象が変わりますし、味の理解が深まるものです。

特にコーヒー豆の格付け方法を知ることは、美味しい一杯に巡り合うための方法ですので、活用いただければと思います。

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