初級編 コーヒーを淹れるときに重要な要件
コーヒーをいれるときに重要なことは、器具や使用するコーヒーではありません。味に影響を与える要素は、コーヒーの量、お湯の量、お湯の温度、抽出時間だけです。コーヒーの量、お湯の量はそのままですが、温度は高ければ高いほど苦味が強いコーヒーになり、逆に温度が低いと酸味が目立つようになります。温度は90~94℃くらいが一般的な目安になります。時には88や89℃といった低い温度で抽出する方法もありますが、特殊なコーヒーの場合が多いです。
抽出時間は時間に比例して、コーヒー成分が抽出されます。そのときに重要になるのがコーヒーの挽き目です。それぞれの抽出に適した挽き目のコーヒーを用意する必要があり、ドリップコーヒーの場合、一般的に中挽き、フレンチプレスの場合は粗挽きのコーヒーを使用します。
中級編 コーヒーと水の比率は?
じゃあ、一番簡単そうなコーヒー量と水の量は何グラムが最適なのでしょうか?メーカーの推奨量や各バリスタのおすすめ量を見ると、皆さんバラバラなことを言っています。では、国際的な基準を調べると、コーヒーと水のバランスが、1:17か1:18といわれています。コーヒーが8gであれば、お湯の量は136~144mL、コーヒー10gで170~180mLが目安ということですね。マグカップの場合は一杯200mLくらいなので、コーヒー量は11gくらいになります。
結構細かいなと思いませんでしたか?コーヒーは結構細かい調整が必要な飲み物なのです。感覚的にはスイーツを作るときに砂糖の量を正確に測りますよね。それに近いと思います。
なぜ、コーヒー量とお湯のバランスが、1:17や1:18がいいことになっているのかというと、国際的な調査の結果これがいいということになっています。
上級編 プロバリスタならみんな知っている「Coffee Brewing control chart」
先ほどいった1:17、1:18の根拠はというと、国際的な基準となる「Coffee Brewing control chart」です。
私のブログ内ではたびたび出ていますが、国際機関であるSCA(Specialty Coffee Association)にて発表されている世界的なコーヒーの基準です
このグラフにて規定されていることは、2つだけです。1つはコーヒーとお湯のバランスは1:15~1:20くらいがよい、もう一点は抽出率は18%~22%を狙いなさいということです。抽出率とは、抽出中にコーヒーに溶解し、最終的なコーヒーに残る質量の割合です。グラフの横軸は、抽出率を表します。
コーヒーのプロは、ドリップコーヒーの味は、可溶コーヒー成分の量が1.15〜1.45%で18〜22%の収率が最適であることを理解しています。この理論は「ゴールドカップスタンダード」と呼ばれ、グラフの中央のボックス(SCAE ideal)に位置するコーヒーのことを「ゴールカップスタンダードコーヒー」を呼ばれます。
グラフの対角線は異なるコーヒーとお湯の比を表します。たとえば、コーヒーの抽出強度1.41で19%のコーヒーは、コーヒーと水の比率が1:15の場合にのみ可能です。よく見ると、1:17の比率は、他のどの比率よりも「ゴールドカップスタンダード」内にいる可能性が高いことがわかります。
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理論はそうだが、実際には。。。
実際に店舗でコーヒーと水の割合を聞いてみると、1:17ではないケースも多いです。その理由はより重いボディ感や強いフレーバーを得るためにコーヒーの量を増やしているようです(1:15くらい)。しかし、グラフが示すように、比率が低いほど、使用するコーヒー内部にまだ抽出できる部分があるにも関わらず廃棄している可能性が高くなります。そこら辺の絶妙なコーヒー量の調整がバリスタの腕の見せ所といえると思います。
みなさんもコーヒー量やお湯の量をきっちり管理してコーヒーを淹れてみてはいかがですか?