美味しいコーヒーの世界規格「ゴールドカップ スタンダード」とは

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皆さんは、美味しいコーヒーは何という質問に答えることができますか?欧米のコーヒー業界では「ゴールドカップスタンダート」が美味しいコーヒーの基準として浸透しています。今回は「ゴールドカップスタンダート」とは何か、どうすれば「ゴールドカップ」を淹れることができるのか、紹介していきます。

「美味しいコーヒーは何か」という問いの答え

コーヒーはよく、嗜好品といわれます。
その理由は一人ひとり好きなコーヒーが異なるためですが、この美味しいコーヒーは何かという質問に対して一定の答えを出しているのが「ゴールドカップスタンダード/ゴールドカップコーヒー」です。

「ゴールドカップスタンダード」とは、直訳すると”ゴールドカップの淹れ方/基準”。
「ゴールドカップ」とは、みんなが美味しいと感じる適切な抽出度合いのコーヒーのこと。
なので、「ゴールドカップスタンダード」は「美味しいコーヒーの淹れ方/基準」という意味になります。

1965年からコーヒー抽出の基準

ゴールデンカップスタンダードという言葉は日本ではほぼ知られていませんしかし海外のコーヒー業界では一般的なコーヒー理論として定着しています
その要となっているが”Coffee Brewing Control Chart”
このグラフは1965年にアメリカの業界団体である「Coffee Brewing Center」が発表したもので、適正なコーヒーの抽出度合いのコーヒーなのかを評価するために使用します 。

出典 : mountaincity.com

初めはアメリカ人を対象にした実験で得られた結果だけでしたがその後1975年にNCANorwegia Coffee Association1982年にSCAASpeciality Coffee of America1998年にはSCAESpeciality Coffee of Europeにて同様の実験が行われ

最近では、2010年にヨーロッパの業界団体であるSCAEが、再度グラフの確認のために、4か国600人以上を対象に、試験を行っていて、基準に間違いがないことを確認しています。

すでに50年以上前に美味しいコーヒーの淹れ方の基準があったということも驚きですし、その基準が大きく変わることなく今でも基準として使用されているってすごいですよね。

SCAA (アメリカの業界団体)のGold cup standardサイト
http://www.scaa.org/?d=brewing-standards&page=resources
アメリカのコーヒー業界SCAAのサイトでは、Gold cup standardの詳細な説明がされています。実際の基準となる抽出方法も紹介されています。

ゴールドカップ=18%~22%の抽出率のコーヒー

ゴールデンカップスタンダートの中では、多くの人が美味しいと認知する適切な抽出度合いは、使用したコーヒーの18%~22%といわれています。

一般的にコーヒーの抽出は、抽出の前半は酸味成分が多く抽出され、後半になれば苦み成分が抽出されます。
この18%~22%というのは、酸味と苦みのバランスが良く、多くの人にとって飲みやすく、コーヒーごとのキャラクターが判別できる、ちょうどいい抽出度合いなのです。

仮に18%未満の場合だと、酸味成分が強いだけでなく、全体としてバランスの悪いコーヒーに感じます。豆によっては青臭い味がしたりします。また22%以上になってしまうと、苦みが強すぎるため、コーヒー個々の特長を感じることが難しくなります。

絶妙なバランスのコーヒーのことを「ゴールドカップ」と言うことだけ覚えてください。

ちなみにゴールドカップの確認方法は?

飲んでいるコーヒーがゴールドカップなのか、どうか気になりますよね?
確認にはコーヒーに含まれている溶解成分量を測る必要があります。一般的にTDS濃度と言われています。
TDS濃度を測るためには、TDS計と言われる道具が必要になります。

アタゴ ポケットコーヒー濃度計 PAL-COFFEE(TDS)

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TDSが1.2~1.45であれば、ゴールドカップの範囲内となります。
この時に重要なのは、TDS濃度だけでなく、コーヒー量と水の量も適切な割合でないといけない点です。

仮にコーヒー量等規定がなく、単純にTDS濃度が1.25~1.45であればゴールドカップになるというのであれば、水を少なくし、コーヒー量を多くして、抽出率が低くてもゴールドカップにすることができます。
重要なのは酸味と苦みのバランスが良い、18%~22%の抽出割合であることです。
そのためTDS濃度を測ることと同時に、コーヒー量と水・お湯の量を適切に使用することが重要です。

適正量は、1Lのお湯に対して、55g~60gのコーヒーになります。

適正なコーヒーとお湯を使用して抽出し、その際のコーヒー濃度が1.25~1.45であれば、抽出率は18%~22%になり、ゴールドカップのコーヒーとなります。

TDS計の使い方はこちらから

バリスタハッスル流 正しいTDSの測り方、動画で説明

Barista hustle(バリスタハッスル)サイト内で紹介されているコーヒーの濃度を計測するTDS計の使い方をご紹介します。

ゴールドカップスタンダードを淹れるためには

ゴールドカップを淹れるには何点かポイントがあります。

①適正なコーヒー量、お湯の量を知る

まずは適正な分量を知ることが重要です。先ほど記載した「1Lのお湯に対して、55g~60g」が絶対の基準になります。一杯140mLだとすると、7.5gくらいになります。
一般的に抽出量が少ない場合、抽出率が低くなりがちのため、「一杯当たり10~12g使用しましょう」と言われることが多いです。
が、適正な抽出割合を目指すのであれば、多くても140mL当たり、8gから10gで調整しましょう。

②抽出が弱い場合は、挽き目を細かくするか、温度を高くするか、抽出時間を長くする

ゴールドカップから外れているコーヒーは濃くて外れるというのは、あまりありません。
よく起こるのは抽出不足です。
コーヒー屋で美味しいと思って、家で同じコーヒーを淹れても、味がぼんやりしていたり、コーヒーを飲んだ後に水が飲みたくなってしまうことありませんか?それらの原因の多くは抽出不足です。

この抽出不足になった場合には、挽き目を細かくするか、温度を高くするか、抽出時間を長くすれば良いです。
おすすめは、お店で挽いてもらう場合は想定より細かめに挽いてもらい、お湯の温度を91~93℃くらいにし、蒸らしの時間をもう10秒長くしてください。それだけで劇的にコーヒーの味が変わると思います。

③いつも飲んでいるコーヒーが”正しい”コーヒーなのか知ること

そして一番重要なのはいつも飲んでいるがゴールドカップコーヒーなのかを知ることです。
先ほど言ったように正式にゴールドカップなのかを知るためにはTDS計が必要になります。

しかしTDS計を買うことができないという方には以下のことを意識してコーヒーを飲んでほしいです。
意識するだけでかなりわかると思います。

-酸味が美味しいというより、酸っぱいコーヒーになっていないか?
-バランスが悪いコーヒーではないか?
-香りがあまりないコーヒーになっていないか?
    -コーヒーを飲んだ後、水を飲んでいないか?
-苦みが強すぎるコーヒーになっていないか?

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最後に、ゴールドカップスタンダードがもたらすもの

普通に美味しいコーヒーって何?という質問に多くの人は「エチオピア」や「ブルーマウンテン」といったコーヒー豆を挙げると思います。
が、本当にそうでしょうか。多くの方が「美味しいコーヒーの淹れ方」を検索していて、こぞってコーヒーセミナーを受けたりしていることを考えると、直感的には「美味しいコーヒーは適切な淹れ方の元にできる」と感じているんだと思います。
それらの一定の回答になるのが「ゴールドカップスタンダート」だと思います。

ゴールドカップのコーヒーを飲むことで、初めてコーヒーの味わいの比較をすることができます。というのも感じる酸味がコーヒーの産地の違いから感じるものなのか、淹れ方の間違いによるものなのか判断が難しいからです。
感覚的にはコーヒーの印象がぼやけているコーヒーは抽出不足であることが多いです。
自分のコーヒーがゴールドカップスタンダードに適合しているか、考えるだけで毎日のコーヒーがさらに楽しくなりますよ。