更新:2019.6.15 作成:2019.6.14
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そもそも、コーヒー豆とは何かご存じでしょうか。コーヒー「豆」と呼んでいますが、実は「豆」ではなく「種子」なんです。
コーヒーの正式名称は「コーヒーノキ」と言い、アカネ科コフィア属の熱帯植物です。「コーヒーチェリー」と呼ばれる赤い実を付け、コーヒーチェリーの中にある種子がコーヒー豆として利用されています
コーヒーは主に赤道付近のコーヒーベルト(緯度が北緯25度から南緯25度までの範囲)と呼ばれる地域で栽培されており、年間平均雨量1500~2000ミリ、平均気温20度前後の環境が適しているとされます。
また、品種でも適した土地が異なります。アラビカ種は高温多湿が苦手なため、霜害のない冷涼な高度の高い高地を中心に栽培されています。ロブスタ種は暑さや病気に強いため、霜害が無ければ低地でも栽培が可能です。
主な生産国は約60か国あり、コスタリカ・ブラジル・エチオピア・ベトナム等が有名です。
まず種子をまき、苗木を作成します。
種子は「パーチメント」という薄皮が付いた状態でまきます。まいてから40~60日程度で発芽、成木になるまでの約3年間は苗床で管理されます。
成木は農場に移植されます。
農場はコーヒーに適した土壌が用意されており、アラビカ種では水はけのよい土壌を好む一方、ロブスタ種はどんな土壌でも対応できます。
年に1回、いっせいに花を咲かせます。ジャスミンのような香りの白い花で、1週間程度で散ってしまいます。
苗は鉢植え物を扱っている花屋さんや、ホームセンターで購入が可能です。最近はミニ観葉植物として100円ショップでも取り扱っている場合があります。
また、夏が高温多湿の日本では、暑さに強いロブスタ種がおすすめです。
コーヒーは寒さに弱く、霜害がある場所では冬を越すことが出来ません。そのため家庭で栽培する場合は屋内での栽培が基本になります。
直射日光が苦手なため、明るい日陰で管理します
土の表面が乾いてきたらたっぷり水をやります。鉢の底から水が染み出すまであげてください。
花や実をつける時、苗は大きなエネルギーを消耗します。毎年花や実を楽しみたい場合は適切に肥料を与えましょう。
与える肥料は、窒素・リン酸・カリの配合が8-8-8や10-10-10と書かれた化成肥料がおすすめです。なお、苗の元気が無い場合は、液体肥料を与えると即効性が期待できます。
コーヒーは一般的に発芽から3~4年で実がなります。ただし適切な管理を行わないと、実をつけるエネルギーを用意できず実がなりません。
日頃から水やりや施肥を適切に行うようにしましょう。
室内の気温が10度以下にならないように気を付けます。5度位までは耐えますが、若い苗は枯れやすいので、気温管理には十分注意しましょう。
順調に成長して苗が大きくなると、鉢が狭くなり、根が上手く伸ばせなくなります。こうなった場合、少し大きめの鉢に植え替えを行います。
およそ1~2年が植え替えのタイミングで、ホームセンターで販売している培養土を使用するのがおすすめです。
年に1回、6~7月頃に白い花がいっせいに咲きます。花は2~3日でしおれ、1週間程度で散ってしまいます。
花が散ってから数日で緑色の実がつきます。実がついてから6~8か月をかけて徐々に実が大きくなり、真っ赤なコーヒーチェリーになります。
実が収穫できるまで時間がかかるので、自宅で収穫できた瞬間の感動はひとしおかと思います。
ここでちょっと豆知識。コーヒー豆の「新豆」を知っていますか?
お米に新米があるように、コーヒー豆にも「ニュークロップ」と呼ばれるその年の新豆があるのです。
新豆の定義は10月1日以降に収穫された豆であること。
これは「国際コーヒー機関」が10月1日をコーヒーの年度初めと定めたことと、コーヒー豆の収穫時期が集中していることによります。
新豆は水分含有量が多く瑞々しいのが特徴で、豆の持つ特徴が際立ちます。
新豆入荷の時期になると、店舗でも「新豆入荷」の広告を出しますので、期間限定を味わってみてはいかがでしょうか。
コーヒーを育てると当然豆ができますが、どこで育てても同じ味の豆ができるのでしょうか?答えはノーです。
コーヒー豆は育てられた土地の影響を強く受け、独特な風味を生み出します。コーヒーは様々な国で育てられていますが、国ごとに適した品種が異なり、風味も様々です。
主要な生産国と栽培品種の特徴をご紹介します。
アラビカ種のみの栽培を行っているコスタリカで栽培されています。
ブルボン種の突然変異で生まれた品種で収穫量は少ないです。ブルボン種に似ていますが、やや小粒で少し細長い形をしています。
世界1のコーヒー生産国ブラジルで生じたティピカの突然変異種。
収穫量は少なめで、形は長く幅広な非常に大きい豆です。その大きさから、ジャイアントビーンとも言われています。
コーヒー発祥の地と言われるエチオピア。南西部のゲシャ村付近で発見された野生種を栽培した品種です。
ティピカ系の本品種は栽培地域が限られ、希少価値が大変高いことで知られています。また、とても細長い豆の形も特徴的です。
現在では世界中のバリスタを魅了している一番美味しいコーヒーとも呼ばれています。
ゲイシャについてはドラマチックなストーリーもありますので、気になる方はこちらもご覧ください。
あまり知られていないのですが、ベトナムは世界第2位の生産国です。
コーヒー豆3大原種の1つ、ロブスタ種を中心に栽培しています。
ロブスタ種はビクトリア湖の西を起源としており、円に近いくらい丸い形が特徴です。机に置くと転がるくらい丸みがあります。
コーヒー豆を栽培したらもちろんコーヒーを飲みたいですよね。
ここでは家庭で栽培した豆を「摘み取り」、「精選」、「焙煎」して、コーヒーにする方法をご紹介します。
コーヒーチェリーを収穫することを「摘み取り」と言います。農園では赤い実だけを厳選して手で積む「手摘み」や、枝をふるって落とす「ふるい落とし」等の方法があります。
自宅で摘み取りをする場合は「手摘み」で収穫しましょう。
コーヒーチェリーから種子を取り出し、生豆の状態にすることを「精選」と言います。天日干しをして乾燥してから果肉を取る「ナチュラル」と、水槽で果肉を洗い流す「ウォッシュド」の方法が主流です。
家庭で行う場合は「ナチュラル」で行うことになりますが、実はちょっとしたお楽しみがあります。
実はコーヒーチェリーの赤い果肉はほんのり甘く、食べることが出来るのです。果肉とコーヒーで2度美味しいというわけなのです。
精選した豆を炒ることを「焙煎」と言います。焙煎を行うと、お店で売っているコーヒー豆の姿になります。
加熱する時間で味わいが変わってくるので、精選する前にどの程度炒るか決めておくことをお勧めします。
浅く炒ると甘味・酸味が強く出ます。一方苦味は抑えられます。
深く炒ると甘味・酸味はあまり感じられず、苦味が全面に出てきます。同時にコクも強くなります。
味のバランスが取れた、中煎りをお勧めします。焙煎の具合については下記の記事を参照ください。
容器に豆を入れて直火で焙るだけのお手軽設計。
重量も240gと、女性でも扱いやすいのもポイントが高いです。
今回はコーヒーの育て方についてご紹介しました。
普段何気なく飲んでいるコーヒーですが、実は様々な場所で、様々な工程を経て作られていることが分かったと思います。
家庭で苦労して作ったコーヒーは、なんとも言えない感動を味わえると思います。コーヒー愛を深めるきっかけにもなると思いますので、コーヒー栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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朝起きてコーヒーを飲み、コーヒーを飲んで眠る。 そんな生活20年近くしている30代男からすけです。 ...
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