ここでは抽出の目安となっているSCAスケール、TDSのパラメータについて紹介します。アンダーエクストラクションのコーヒーを撲滅しましょう。
コーヒーマニアの方やプロ向けのコンテンツです。用語が難しいですので、ご了承ください。
おいしいコーヒーの定義
おいしいコーヒーを定義することは非常に難しいです。酸味が好きな方、苦みが好きなひと、人の好みは千差万別。
ですが、酸味、苦みが強すぎたり、バランスが悪いコーヒーはみんな苦手ですよね?じゃあどこくらいのコーヒーの抽出がちょうどいいのか!という話になりますが、それをヨーロッパで調べてます。
その調査の結果、コーヒー成分の抽出率が18から22%のコーヒーであれば多くの人がおいしいと思うだろう結論付けられました。
しかしそのコーヒーの抽出率が何%なのかなんてすぐにわかんないですよね?それの早見表が、SCAAやSCAE(現SCA)の表(チャート)というわけです。
こちらの記事ではさらに深くTDSやゴールドカップスタンダードを語っています
皆さんは、美味しいコーヒーは何という質問に答えることができますか?欧米のコーヒー業界では「ゴールドカップスタンダート」が美味しいコーヒーの基準として浸透しています…
Coffee Brewing control Chart、SCAEスケールの見方
この表がスケールです。縦軸にTDS(%)、それぞれの線が1リットルのお湯に対して何グラムのコーヒーを使っているかを示しています。TDSとは、溶解している成分%を表します。特別な機械を使って計測します。
例を挙げてみましょう。
14g、280mlでコーヒーを淹れたとします。その時のTDSが1.26だったとします。
その場合のコーヒー抽出率は19%ということで、適切な抽出のコーヒーというわけです。
しかし同じコーヒー量、湯量でTDSが0.92だった場合は抽出率が15%以下になり適切な抽出ではない、抽出不足になるということです。
ちなみにこのチャートはSCAE、いわゆるヨーロッパでのテイストに合わせて作成されていますが、SCAA、アメリカのテイストに合わせたチャートもあります。
TDSの測り方
TDSを測るためいには販売されているTDS計が必要です。計測方法自体は非常に簡単です。
抽出し、十分冷やしたコーヒーをTDS計にセットして、計測ボタンを押すだけです。そうすると数値がでます。
TDS計と言えば、VSTがグローバルで一般的です。VSTではTDSを測るだけで、いい抽出になっているか計算してくれるソフトも販売しています。
ただ日本での取り扱いは少ないですし、結構高いです。なので国内で販売されているアタゴのコーヒーTDS計でもよいと思います。
基本的に分光光度計の原理で計測していますので、ちゃんと較正すれば使用できると思います。
https://store.vstapps.com/
VSTを使用したTDSの正しい測り方!動画もあります!!
VSTのTDS計が高いという方には、国産メーカーアタゴのTDSをおすすめします。VST社のTDS計と高い相関関係があり、信頼性はあると思います。 まずはTDSを測るべし!
アタゴ ポケットコーヒー濃度計 PAL-COFFEE(BX/TDS)
適切な抽出にするためには
じゃあ、適切な抽出を作り出すためにはどうすればよいかといいますと、以下のポイントを調整することになります。他の記事にも書いたようにコーヒーの味を決定するポイントは4つだけです。コーヒー量と水の比率は変えませんので、残り2つのポイントを変えていくことになります。
ただすべてが適切なバランスで成り立ちますので、すべてのポイントで調整が必要になります。
- お湯の温度
- 温度を高くすれば抽出が進みます。逆に下げれば抽出が弱まります。92℃くらいから調整することが良いと思います
- 抽出時間
- 抽出時間を長くすれば抽出が進み、短くすれば抽出が弱まります。
- 蒸らし時間
- コーヒーの挽き目
- (ドリップの場合)お湯の注ぎ方、使用する器具の変更
- 抽出時間を長くすれば抽出が進み、短くすれば抽出が弱まります。
最後に
ここまで散々、世界的に良いとされている定義について説明してきました。いいコーヒー、おいしいコーヒーの定義は非常に難しいです。
その理由は味の感じ方は個人で違うからです。
最近ではあえて適切な抽出を外し、酸味を強く打ち出しているコーヒーもあります。
なので、あなたも自分が好きなコーヒーを探求していってください!