2021年9月8日にバリュミューダのコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」が10月7日に発売されることが発表されました。この記事では今現在で開示されている情報で、この製品がどうか評価していきたいと思います。
開発期間は6年。コーヒーを科学したコーヒーメーカー
製品ページによると、「BALMUDA The Brew」は6年間の開発期間を経て発売され、コーヒーを淹れる過程も楽しむことができる美しいデザインのコーヒーメーカーです。
今回、このようにして、BALMUDA The Brewを皆さんに
ご紹介できることをとても嬉しく思っています。
…いえ、嘘です。実は、肩の荷がおりた、というのが正直な気持ち。
バルミューダのコーヒーメーカーの開発が始まったのは6年前。
長い道のりの中、私は一時期、
バルミューダからコーヒーメーカーが発売されることはないだろうと思っていました。
https://www.balmuda.com/jp/brew/story
製品を一見すると、特筆すべきはそのデザイン
これまでのコーヒーメーカーにはないフォルム。コーヒーを淹れる過程も楽しめる「オープンドリップ式コーヒーメーカー」。これまでのコーヒーメーカーにはなかった面白さ、愉しさがあるように思います。
機能面で驚いたのは「バイパス注湯」
コーヒーをお湯で割る作業のことをバイパスと呼び、業務用のコーヒーマシンでは、抽出時間を短くするために行うことがあります。コーヒー成分が多く抽出される抽出前半の部分をうまく出すことで、ボディ感はあるけど、すっきりとしたコーヒーを作ることができます。
エスプレッソをお湯で割ったアメリカーノも同じような考え方です。これまでデロンギ等の全自動エスプレッソマシンの上位機種や業務用製品には付属されていた機能ですが、ドリップコーヒーメーカーでその機能が付くとは驚きです。
また温度管理についてもかなり頑張っている感がアピールされています。まずサーバーを温め、そのあとは蒸らしに適した温度で、その後は間欠式による注湯が行われるようです。最後にお湯で割って、適した温度のコーヒーが出来上がりという具合です。かなり温度については細かく規定しているんだなーという印象です。
気になるポイントこの価格帯でできることが少なすぎる
まず言いたいことは、高すぎます。
今発表されている価格で59,400円。これは全自動エスプレッソマシンが購入できる価格です。全自動エスプレッソマシンでは、コーヒー豆からコーヒーを淹れることができますし、コーヒーの挽き目、温度、抽出時間の調整ができます。ですが、「BALMUDA The Brew」にはできません。たとえ、どんなに温度を管理したとしても、オープンドリップ式?だとしても、コーヒー豆とコーヒー粉では淹れるときの香りの強さが違います。圧倒的にコーヒー豆で抽出したほうが香り/アロマは強いです。
また温度管理や湯量調整も、デフォルトの設定でハマるコーヒー豆であればよいですが、はまらないコーヒー豆であれば全く、おいしいコーヒーを淹れることができないと思われます。特にスペシャリティーコーヒーの抽出には向かない設定です。通常、スペシャリティーコーヒーは低めの温度で抽出することが一般的のため、BALMUDA The Brewの設定温度だと、若干高いと思われます。
抽出時間を軽視してる可能性
先ほどから抽出温度のことは語っていますが、抽出時間のことはあまり言及されていません。温度は重要ですが、時間も同じくらい重要です。よくよく見ると時間は4分から7分と書いています。この幅は抽出量によるものと思いますが、若干長めだなーと思います。さらに気になるのは気温によって変わりますと書かれていることです。これは結構なことで要は同じ設定でコーヒーを淹れたとしても朝と夜で味が違うし、今日と明日でも味が変わってしまうということなのです。
お湯のかけ方
あともう一つ気になるのは、お湯のかけ方です。点滴のように注いでいるようです。点滴状になると温度が下がりやすいです。なので設定している温度より実際の抽出温度は低いのではないかと考えられます。こればっかりは実機で検証してみないとアレですが、真ん中ばかりお湯がかかって、コーヒーの挽き目によっては、全体に広がらないのではないかと察します。
最後に、結局どうか?
これまで気になるポイントを説明してきましたが、説明したポイントはメリットを軽く凌いでしまうデメリットだと感じられます。デザイン性は高いですが、やはり値段が高すぎます。デザイン性だけを見ても、良くて安い製品があります。
デザイン性という意味とすると、Wilfaがおすすめです。
ミル付き全自動コーヒーメーカーも同じ価格帯、というより安いです。実用的には全然こっちが買いです。
想定される不満点
実際にコーヒーを購入した後に、コーヒーをいれている最中にコーヒーを淹れている様子を見ないなと気づくと思います。もし淹れている様子を楽しみたければ、ハンドドリップでコーヒーを淹れると思います。。
やっぱり現状だとこの製品のメリットが見えてこないです。。。