そもそもコーヒー抽出における微粉ってなに?
今回はドリップコーヒー、一般的なペーパードリップに限った話をします。
ドリップコーヒーにおける適したコーヒー粉の大きさは600〜800μmくらいと言われています。そのため一般的に微粉とは約400μm以下のコーヒー粉のことを指しています。
もし微粉除去のセパレーターを買うときはどのくらいのメッシュの大きさなのかを確認した方がいいと思います。いいセパレーターほどどのくらいのメッシュを除去しているかを明確にしています。
代表的なセパレーターのリンクをご紹介します。
みんなが嫌う「雑味」ってどんな味?
微粉の味は本当に「雑味」なのか?
セパレーターを使う理由の一番は、微粉を入れると雑味が出るから除去したいと言います。が、逆に問いたい、そもそも雑味とはなんなのか?雑って何って思いませんか?
雑味と表現されている味は実は微粉でしか抽出することができない味の集合体なのです。
ちなみにコーヒーの味はコーヒーテイストホイールと言われる図に全て表現することができると言われていますが、その中に雑味なんて言葉はありません。
「雑味」の正体は「深みのある苦み」だと思う
微粉と言われる400μm以下のコーヒー粉で抽出するとどんな味になるかというと、強いボディ感や、深い苦味が特徴的なコーヒーになります。よくビターなチョコレートの味と表現されたりします。
要は微粉は雑味ではなくしっかりした、コーヒーの味として表現できるのです。
微粉がコーヒー抽出に及ぼす影響
私の意見は、微粉も含めたいろんな粒度(粒の大きさ)がドリップコーヒー抽出には必要だと考えています。その理由は2つです。
1つは一定の粒度のコーヒー粉しかない場合、抽出効率が落ちてしまい、適切な抽出率のコーヒーを作ることが難しくなります。
コーヒーはコーヒーの粒が大きければ抽出効率は落ち、逆に細かく挽けば抽出効率は上がります。これが微粉がドリップコーヒーの抽出に必要な理由で、微粉がなければそもそもコーヒーが薄く、バランス悪く感じると思います。また微粉がなければ適切な抽出にするためのコーヒー量が増えます。
もう1つは味に深み、厚みがなくなります。微粉を除去したがる最たる理由は、出したい特徴的な酸味の味を邪魔させないためだと思います。例えばエチオピア モカでも後味にくる苦味を消したいなと思って微粉除去を行うことがあります。しかし微粉を除去してコーヒーを入れてみると、苦味はなくなっているのですが、酸味だけではなにか物足りないコーヒーになってしまいます。
コーヒーの味は、酸味、苦味、後味、ボディ感で表現されることが多いですが、これらの味がすべてバランスよく配分されないとおいしいコーヒーにはならないのだと思います。
そのためにも適した粒度分布(コーヒー粒の大きさの分布)のグラインダーが必要になるわけです。
最後に、やっぱりドリップコーヒーには微粉が必要だ
ここまで微粉、400μm以下のコーヒー粉がドリップコーヒー抽出でどのように作用するのかについて語ってきました。私は微粉はドリップコーヒー抽出には必要というスタンスです。
ただほんとにピンポイントで表現したい味がありそれを表現するためにセパレーターを使うという気持ちは非常によくわかります。
なので単純に微粉は雑味が出るから悪というのではなく、微粉がドリップコーヒー抽出にどのように影響するのかを理解した上で使用して欲しいと思います。