コーヒーの味の決め手!「焙煎」と「産地」について

コーヒーを楽しむ上で知っていて損はない「焙煎」と「産地」による味の違いについてご紹介します。

皆さんはどんな味のコーヒーが好きですか?
コクのあるコーヒーが好きという方もいれば、アメリカンでないと飲めないという方や、酸味の強いコーヒーは苦手という方もいるでしょう。
そんなコーヒーの“味”を決める重要な要素に、「焙煎(ロースト)」と「産地」があります。
缶コーヒーにも「深煎り」や「モカ」、「キリマンジャロ」と名前のついたものがありますよね。
深煎りは焙煎度を、モカとキリマンジャロは産地を指しています。
では、それらにはどんな特長があるのか。簡単に見ていきましょう!

焙煎による味の違い

そもそも、コーヒーは焙煎して初めて“コーヒー”として飲めることはご存知でしたか?
「生豆」と呼ばれる収穫した後のコーヒー豆は白っぽい緑色をしており、青臭い香りで、味はほとんどありません。
焙煎(ロースト)の度合いは「浅煎り」、「中煎り」、「深煎り」の3つに大別され、それらはさらに細かく8段階に分けることができます。
私たちが普段口にするコーヒーは中煎りか深煎りのものですが、サードウェーブと呼ばれるコーヒーショップでは浅煎りのコーヒーが提供されています。
また、同じコーヒー豆でも焙煎度によって味が異なるので、好みに合わせて焙煎してくれる専門店もあるくらい、味を左右する重要な要素です。

ライトロースト

ライトローストは、最も浅煎りの焙煎です。
色は薄い茶色で、顕著な酸味がある一方、香りやコクは不足しています。
一般的にはこの状態で飲まれることはありません。

シナモンロースト

シナモンローストは、8段階中2番目に浅煎りの焙煎で、名前の通り、色合いはシナモンに似ています。
シナモンローストから淹れたコーヒーは原産地に関係なく酸味がありますが、ライトローストより飲みやすい焙煎度です。
「浅煎り」のコーヒーと言うと、多くはこのシナモンローストを指します。

ミディアムロースト

ミディアムローストは、3番目に浅い焙煎です。通常は中煎りに分類されますが、ミディアムローストを浅煎りとして販売するお店もあります。
まだ酸味が強いものの、甘味や苦味も感じられます。
豆本来の風味が楽しめるので、ストレートコーヒー(豆をブレンドしていないコーヒー)に適した焙煎と言えるでしょう。
また、このミディアムローストやシナモンローストで淹れた軽いコーヒーを「アメリカンコーヒー」と呼びます。
ミディアムローストは、アメリカンローストと称されることもあります。

ハイロースト

ハイローストは中煎りに分類される焙煎で、酸味・甘味・苦味がバランス良く出ます。
「中煎り」と呼ばれる場合、このハイローストを指すのが一般的です。
自宅や喫茶店で飲むレギュラーコーヒーに多い焙煎度で、ホットに適しています。

シティロースト

シティローストは深煎りの焙煎で、ニューヨークシティが名前の由来です。
中深煎りやジャーマンローストと呼ばれることもあります。
酸味よりも苦味が強くなり、ボディ(味わいの豊かさ・重厚さ)も感じられるようになります。

フルシティロースト

フルシティローストは、シティローストよりさらに1段階深い焙煎度です。
苦味とコクが一層強くなり、ボディもしっかりとしています。
アイスコーヒーにも適した焙煎度で、イタリア北部ではエスプレッソにこの焙煎度がよく使われるようです。

フレンチロースト

フレンチローストは、8段階中2番目に深い焙煎です。
コーヒー豆は濃茶色になり、豆の油分が表面ににじみ出て、輝いて見えることがあります。
フルボディと呼ばれる重厚な飲みごたえがあります。
ホットよりもアイスに向いており、アメリカのエスプレッソでもよく使用されます。

イタリアンロースト

イタリアンローストは、最も深煎りの焙煎です。
コーヒー豆はチョコレートのような濃い褐色や黒に近い色になり、表面には油分が浮き出ています。
味は、深い苦味と香ばしさ、スモーキーな風味が感じられます。
また、濃厚なコクがあり、水出しのコーヒーにも適した焙煎です。

産地による味の違い

コーヒーの味に関わるもう一つの重要な要素が産地(銘柄)です。
産地が同じでも、農園によってまた個性がありますが、ここでは一般的に言われている特長をご紹介します。

キリマンジャロ

キリマンジャロは、タンザニア北東部にあるアフリカ最高峰・キリマンジャロの火山斜面で栽培されたコーヒーです。
酸味とフルーティーな香りが特長で、コクもあります。
昔から高級品とされ、コーヒー愛好家からは「キリマン」とも呼ばれ親しまれている人気の銘柄です。

グアテマラ

中央アメリカ北部に位置するグアテマラは、近年ホンジュラスに抜かれるまで、長い間中米最大のコーヒー生産国でした。
国内には、グアテマラ国立コーヒー生産者協会「ANACAFE(アナカフェ)」という機関があり、品質向上と生産管理を行っています。
グアテマラのコーヒーは、中~フルボディで、上品な酸味があり、柑橘系の香りがします。
また、ココアやミルクチョコレート、ナッツやタフィーのフレーバーも感じられるでしょう。

コスタリカ

コスタリカは、最高品質のコーヒー豆である100%アラビカ種以外のコーヒーを生産することが法律で禁じられている世界で唯一の国です。
世界的にも高い評価を得ているコスタリカのコーヒーは、豊かな風味と鮮明な酸味が特長。
浅煎り・中煎り・深煎りのどの焙煎にも適しており、浅煎りではハチミツや柑橘類にたとえられるフレーバーを楽しめます。

コナ

コナコーヒーは、ハワイ島のコナ地区で生産されるコーヒーです。
そのほとんどが小規模な農園で栽培され、収穫は一般的に手作業で行います。
また、コナコーヒーはハワイ州政府により厳しく品質管理されており、プライムからエクストラファンシーまで5つのグレードがあります。
コナ地区には600以上の農場があり、農場ごとに味が異なります。
一般的には、最初にキャラメルのような風味が感じられ、後口はフルーティーまたはフローラルであると言われます。

コロンビア

アンデス山脈が南北に横断するコロンビアは、コーヒー栽培に適した気候と地形を有する国です。
甘い香りで、酸味と甘味のバランスが良く、ブレンドのベースとしてもよく使われます。
また、「エメラルドマウンテン」もコロンビアのコーヒーで、「FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)」の厳しい品質検査に合格した希少な豆です

ジャワ

インドネシアのジャワ島で生産されるコーヒーは、他のインドネシア産のコーヒーよりも軽く、比較的酸味が少ない、マイルドな味わいです。
ブレンドによく用いられます。

ブラジルサントス

ブラジルでは世界のコーヒーの約3分の1が栽培されており、ブラジルの高級コーヒーの多くは、輸出港の名前にちなんでサントスと呼ばれます。
酸味が少なく、軽いボディのコーヒーです。
マイルドコーヒーの代表格で、どの豆とブレンドしても相性が良いと言われます。

ブルーマウンテン

中米ジャマイカにおいて、法的に定められたブルーマウンテンエリアで栽培されたコーヒーのみが、「ブルーマウンテンコーヒー」として認定されます。
ブルーマウンテンは、絹のように滑らかでバランスの取れた味わいです。
マイルドでありながら香りが高く、そのアロマは花やハーブにたとえられます。
もともと収穫量が少ない高級品でしたが、ハリケーンや病虫害の被害に遭い、さらに入手困難となっています。

マンデリン

マンデリンは、インドネシアのスマトラ島で栽培される希少な銘柄です。
酸味が弱く、苦味が強い、フルボディのコーヒーで、エキゾチックな後味があります。
水出しにも適しており、ミルクやクリームを入れても風味を損なうことなく楽しめます。

モカ

モカは、アラビア半島にあるイエメン共和国にある港町の名前です。
コーヒーの名前は輸出港にちなんでつけられることがありますが、モカもその一つ。
カフェモカと混同されがちですが、「モカ」と「カフェモカ」は別物です(カフェモカはチョコレート味のコーヒーです)。
モカと名前のつくコーヒーには、イエメン産と、紅海を挟んで対岸にあるエチオピア産のものがありますが、総じてワインのような酸味が特長です。

まとめ

いかがでしたか?
ここに挙げた以外にも、コーヒーの産地はまだまだたくさんあります。
焙煎と産地による味の違いがわかると、カフェでコーヒーを頼んだり、量り売りのコーヒーを買ったりが、今よりもっと楽しめるはずです。
ぜひあなたのお気に入りを探してみてください。

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